サーフィンは、自然と一体になれる魅力的なスポーツですが、その裏には怪我や事故のリスクも潜んでいます。特に初心者のうちは、正しい知識がないまま波に挑んでしまい、思わぬトラブルに見舞われるケースも少なくありません。
実際に「サーフボードで顔を強打した」「リーシュコードが足に絡んで転倒した」といった事故は珍しくなく、誰にでも起こり得る現実です。
ベテランサーファーであっても、波のコンディションや周囲の状況によっては予期せぬケガに繋がることも。
この記事では、サーフィン中に起こりやすい怪我の種類や原因、そしてその対策方法について詳しく解説していきます。
安全にサーフィンを楽しむために、ぜひ最後までお読みください。
サーフィン中の怪我はなぜ起きる?

初心者が陥りやすい状況とは
サーフィン初心者にとって、海は予測できない動きをするフィールドです。波の大きさやタイミングを読み間違えると、テイクオフ時にバランスを崩して転倒しやすくなります。
また、サーフボードが思わぬ方向に飛んでしまい、自分や他人を傷つけるリスクもあります。
特に注意したいのが、波に乗れずに焦ってしまう場面です。無理にパドルして沖に出ようとした結果、足がつって動けなくなったり、疲労で判断力が鈍ってしまうこともあります。こうした状況が、怪我や事故の原因になるのです。
経験者でも油断できない瞬間
経験豊富なサーファーでも、すべての危険を回避できるわけではありません。波のうねりや風の変化、海底の形状によっては、想定外の動きを強いられることがあります。
たとえば、テイクオフ直後に予想以上に波が掘れてしまい、ボードごと叩きつけられることもあります。
また、他のサーファーと距離が近すぎると衝突のリスクが高まります。
スキルに頼りすぎて状況判断を怠ると、逆に危険なシチュエーションに巻き込まれやすくなります。サーフィンは常に「油断禁物」のスポーツなのです。
よくあるサーフィン中の怪我とは?

代表的な怪我と原因、そして応急処置を以下にまとめました。
事故の種類 | 主な原因・タイミング | 怪我の部位や影響 | 備考 |
---|---|---|---|
サーフボードによる打撲・裂傷 | ワイプアウト直後や混雑時 | 顔、身体、特にノーズが当たると危険 | 自分・他人のボードとも接触リスクあり |
フィンやノーズによる切り傷 | ボード同士の接触や水中での衝突 | 足、腕、胸、顔など。鋭利な部分が多く裂傷リスク高 | 意識しないと接触しやすい部位 |
足や膝の捻挫・骨折 | テイクオフ時の体勢不良や海中への飛び降り | 足首、膝、スネなどへの負荷や衝突 | 地形把握不足が原因になることも |
ワイプアウト時の衝突事故 | 波に巻かれたとき・転倒時 | 頭部、身体全体の衝突や打撲 | 頭を守る習慣が重要、混雑時に注意 |
サーフボードによる打撲・裂傷
特に波から落ちた直後やワイプアウトしたとき、自分のボードが跳ね返ってきて顔や身体に当たるケースがよくあります。サーフボードのノーズ部分がぶつかれば、思わぬ大怪我になることも。
波が高い日や混雑しているポイントでは、周囲のサーファーのボードとも接触するリスクが高まります。初心者はコントロールが難しく、知らず知らずのうちに他人に危険を及ぼすこともあるため注意が必要です。
フィンやノーズによる切り傷
サーフボードに取り付けられているフィン(ひれ)は、水中で安定した操作を可能にする重要なパーツですが、尖っているため接触すれば鋭利な切り傷を負います。
とくにワイプアウト時や、他人のボードが勢いよく近づいてきたときに足や腕に接触しやすいです。
また、ノーズ部分は硬く尖っているものが多いため、胸や顔にぶつかれば裂傷や骨折のリスクもあります。こうしたパーツに対する防御意識が低いと、怪我の可能性は高くなります。
足や膝の捻挫・骨折
波の勢いでボードの上でバランスを崩し、足をひねってしまうのもよくある怪我です。
特にテイクオフ直後に体勢が崩れた場合、無理な踏ん張りが膝や足首に負荷をかけ、捻挫や骨折につながるケースがあります。
また、サーフボードから海中へ飛び降りる際に岩場やリーフに足をぶつけて負傷する事故も起きています。
海底の地形を把握していない初心者が、浅瀬のリーフポイントで怪我をするのは典型的な例です。
ワイプアウト時の衝突事故
ワイプアウトとは、波に乗る途中でボードから転げ落ちたり、波に巻かれてしまうことを指します。
この瞬間、視界もコントロールも効かない状態になるため、ボードや他のサーファーと衝突する可能性が高まります。
ワイプアウトしたときに頭を守る習慣がないと、水面や海底に打ち付けられて頭部を負傷するリスクも。
特に混雑したエリアでは「自分は大丈夫」という過信が事故につながることがあるため注意が必要です。
リーシュコード事故の具体例と原因

代表的なリーシュコード事故とその原因・リスクを表にまとめました。
事故タイプ | 原因の例 | 起こりやすい状況 | 想定されるリスク |
---|---|---|---|
足に絡まる | コードの長さや締め付けの甘さ、動作中のバタつき | テイクオフ時、パドル中の初心者 | 転倒、捻挫、バランス崩壊 |
引っ張られて転倒 | 波に巻かれた瞬間にコードが張る | ボードと体が離れている場面 | 足首の負傷、水中での回転 |
リーシュが切れて流される | 経年劣化、強い波 | 大波・長時間サーフ時 | ボードロスト、パドルバック困難 |
足に絡まるトラブル
サーフィン中によく起きるのが、リーシュコードが自分の足に絡まる事故です。
テイクオフの際にバタついたコードが足に巻きつき、バランスを崩して転倒することがあります。これにより捻挫や打撲を引き起こすことも。
初心者の場合、パドル中にリーシュの位置を意識できていないことが多く、波に巻かれたときに絡まりやすい傾向があります。特に短めのリーシュを使っているときや、足首の締め付けがゆるいと事故の原因になりやすいです。
引っ張られて転倒するケース
波に巻かれた瞬間、ボードと体が離れていると、リーシュコードがピンと張って体が急に引っ張られることがあります。これにより、後ろにひっくり返ったり、水中で回転させられたりといった危険な動きにつながります。
リーシュが強く引っ張られた際、足首へのダメージや筋を痛めるリスクもあるため、侮れません。
また、波が連続して押し寄せるタイミングでは、このような引っ張りによる転倒が連鎖的に起こることもあります。
リーシュが切れるとどうなる?
もっとも危険なのが、リーシュコードが切れてしまうケースです。これによりサーフボードが一気に沖へ流され、自力でのパドルバックが必要になります。
体力が落ちているときや、潮の流れが強いポイントでは、最悪の場合そのまま岸に戻れなくなるリスクもあります。
ベテランサーファーでもリーシュの経年劣化や強い波による切断は起こり得ます。使用前の点検や、古いリーシュは早めに交換することが、事故を未然に防ぐ対策になります。
怪我を防ぐための具体的な対策

ヘルメットやプロテクターの使用
「サーフィンにヘルメット?」と思うかもしれませんが、実際に怪我のリスクを大きく減らしてくれる重要なギアです。特にリーフブレイクのポイントでは、頭部を守ることは命に関わる対策とも言えます。
また、プロテクター付きのラッシュガードやウェットスーツは、フィンやボードとの接触時に受ける衝撃を和らげてくれます。
スポーツとしてサーフィンを安全に楽しむためにも、ギアの重要性は見逃せません。
正しいリーシュコードの使い方
リーシュコードは、サーフボードとサーファーを繋ぐ命綱のような存在です。
しかし、長さが合っていない、足首への巻き方が甘いなどの理由でトラブルが起きることもあります。自分のボードサイズや波の強さに合ったリーシュを選ぶことが大切です。
また、定期的にリーシュの劣化をチェックし、ひび割れや摩耗が見られたらすぐに交換しましょう。
特にサイズが大きいボードを使用している人は、強い波でリーシュが切れるリスクも高まるため、対処法として予備のリーシュを持参するのも有効です。
自分のレベルに合ったポイントを選ぶ
サーフィンでは、海のコンディションや地形によって難易度が大きく変わります。初心者が上級者向けのポイントに入ると、波のサイズやブレイクの速さに対応できず、大怪我をする可能性があります。
「今日は波が高すぎる」「潮が速い」と感じたら、そのポイントでのサーフィンを見送る判断も大切です。
サーフィンは自然相手のスポーツ。無理せず、安全第一で楽しむことが長く続けるコツです。
万が一のときの応急処置と備え

切り傷や打撲の初期対応
サーフィン中に最も多い怪我である切り傷や打撲。
もしも海上で負ってしまった場合、まずは海水で傷口をしっかり洗い流しましょう。細菌が入りやすい海では、汚れを残すと感染のリスクがあります。
その後、可能であれば真水で再度洗浄し、防水性のある絆創膏や消毒液を使って応急処置を行うのが理想です。
特にサーフボードのフィンで切った傷は深くなることがあるため、油断は禁物です。
怪我をした人がいたときの対処法
自分ではなく、他のサーファーが負傷している場面に出くわすこともあります。その場合は、落ち着いて近づき、まずは意識があるかどうか、どのような怪我をしているのか確認しましょう。
意識があっても、波の状況次第では安全に岸まで戻れないこともあります。
周囲にいる人やライフガードと協力し、無理に自力で搬送しようとせず、冷静にシチュエーションを判断することが重要です。
備えておきたいサーフィン救急セット
海に入る前には、最低限の応急処置キットを車に積んでおくと安心です。
バンドエイド、ガーゼ、消毒液、テーピング、痛み止めの薬などを揃えておけば、いざという時すぐに対応できます。
また、怪我の情報を記録しておくと、のちの診察や保険対応にも役立ちます。
最近では、サーファー向けに応急処置の知識をまとめたガイド記事も多く、「かけつけ編集部」でも近々特集予定です。応急処置の知識は、自分や周囲の人を守るためにも身につけておきましょう。
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サーフィンの怪我は“誰にでも起こりうる事故”です

「自分は大丈夫」と思って波に乗っていたサーファーが、突然のクラッシュや他のボードとの接触でケガをする。こうした事故は、ベテランでも初心者でも関係なく起こります。
特に混雑したポイントでは、思いがけないタイミングで他のサーファーとぶつかるリスクもあります。
サーフィンは楽しい反面、自然を相手にしたスポーツです。無理に攻めようとするよりも、
「今日はやめておこう」と判断する力の方が、海の中でははるかに重要です。怪我をしてからでは遅い。だからこそ、事前の準備と判断力、そして応急処置の知識が、安心して波に乗るための最低条件になります。