
サーフィンを楽しむすべての人にとって、「もしもの事故」は決して他人事ではありません。
海は美しく、自由で、最高の遊び場ですが──その裏には思わぬケガや遭難のリスクも潜んでいます。
実際に、骨折・頭部外傷・溺水などの事故例は年々報告されており、とくに一人で海に出た際の発見の遅れが深刻な問題になるケースもあります。
そこで注目されているのが「サーフィン保険」。
ケガによる医療費や賠償責任に備える手段として、多くのレジャー保険が提供されています。
さらに近年では、事故の「発見の早さ」が生死を分けるという観点から、位置共有アプリ「かけつけSOS」のようなリアルタイム対策も注目を集めています。
本記事では、サーフィン中に起こりやすいケガ・事故の実態から、保険の種類と選び方、そして“もうひとつの備え”である安全対策まで、トータルで解説します。
サーフィンに保険は必要?よくあるケガ・事故とは

サーフィン中に多いケガ|骨折・溺水・頭部外傷の事例
サーフィンは自然と一体になれる魅力的なスポーツですが、波の力は想像以上に強く、ちょっとした油断が大きなケガにつながることもあります。
特に多いのが以下のような外傷です。
- 骨折や打撲:波に巻かれてサーフボードと衝突、リーフ(岩場)に叩きつけられることで、手首や足首、肋骨などを骨折するケースが多発。
- 頭部外傷:ボードが跳ね返り頭部に直撃したり、海底との接触によって脳しんとうを起こす事故も。
- 溺水(おぼれ)事故:波にのまれてパニックになったり、リーシュコードが体に絡まって泳げなくなるなど、一瞬の判断ミスが命に関わるリスクへ。
特にリーフブレイク(岩場の波)は事故率が高く、初心者や慣れていないサーフポイントでは注意が必要です。
併せて読まれています:
サーフィン怪我の原因と対策|リーシュコード事故とケガに要注意!
一人サーフィンのリスクと「発見の遅れ」問題
サーフィンは単独でも気軽に楽しめる反面、「ひとりだからこそ」見落とされがちなリスクも存在します。
一人で海に出た場合、もし波に巻かれて意識を失ったり、ケガで動けなくなったとしても、周囲に誰も気づいてくれない可能性があるのです。
実際、溺水事故や頭部外傷の中には「発見が遅れたこと」が致命傷につながったケースもあります。
また、サーフィンエリアによっては監視員や他のサーファーがいない時間帯も多く、事故から発見までに数十分~数時間を要することも。
この「時間のギャップ」こそが、命の明暗を分ける大きな要因です。
こうした背景から、近年では「保険による補償」だけでなく、「発見を早める手段」としてリアルタイム位置共有の重要性が見直されています。
サーフィン保険の種類とは?補償内容をタイプ別に解説

1日レジャー保険とは(短期・スマホ加入が特徴)
サーフィンをする日だけピンポイントで加入できるのが、いわゆる「1日レジャー保険」です。
スマホから簡単に申し込みができ、当日から補償がスタートする手軽さが魅力。
例えば、東京海上日動やau損保が提供する保険は、ケガの治療費や第三者への賠償責任までをカバー。
料金も1日数百円程度とリーズナブルで、初心者やたまにしか海に行かない人にもおすすめです。
ただし、カバー内容はシンプルなものが多いため、本格的にサーフィンを楽しむ人には物足りないこともあります。
スポーツ特化型保険とは(波伝説保険など)
サーフィンを日常的に行う人や、大会参加者には「スポーツ特化型保険」がおすすめ。
中でも注目されているのが、東急少額短期保険の「波伝説保険」です。
この保険は、サーフィン中のケガ・事故に特化しており、通院・入院・手術費用だけでなく、賠償責任や死亡保障まで幅広くカバー。
また、オプションで盗難補償や熱中症への備えがつけられるのも魅力です。
サーフポイントの地元ルールや大会規定でも推奨されることがあるため、プロや上級者、活動頻度が高い人にぴったりの内容となっています。
海外旅行保険でもサーフィンはカバーできる?
海外のビーチでサーフィンを楽しむ場合、「海外旅行保険」で補償されるケースもあります。
とくにAIG損保やジェイアイ傷害火災保険(t@bihoなど)では、サーフィンを含むスポーツ中の事故もカバー対象となっている商品が存在します。
ただし、注意点としては以下の通り:
- 危険なスポーツ(例:サーフィン、スキューバダイビングなど)は特約扱いになることも多い
- 保険会社によってはカバー対象外となっている場合もある
- クレジットカード付帯保険は、補償額が低い or サーフィンが対象外のことがある
海外サーフィンを予定している人は、必ず「補償範囲」にサーフィンが含まれているか事前に確認することが大切です。
サーフィンにおすすめの保険はこれ!【目的別に比較】

とにかく安く入りたい人向け(東京海上・au損保など)
「年に数回だけサーフィンを楽しむ」「まずは軽く備えたい」
そんな人には、1日型のレジャー保険が最適です。
たとえば以下のような保険があります:
- 東京海上日動「ちょいのり保険」:1日400円程度で補償あり。スマホで即加入可。
- au損保「レジャー保険」:同様に1日数百円。賠償責任にも対応。
どちらも申込が簡単で即日対応、万が一のケガや損害にもスピーディに備えられます。
頻繁に海に行かない人、初心者にもおすすめです。
ガチでサーフィンやる人向け(波伝説保険)
「毎週海に行く」「大会にも出る」「リーフでやることが多い」──
そんな本気のサーファーには、波伝説保険が有力候補です。
- 提供:東急少額短期保険(TSSI)
- 特徴:サーフィン専用保険として設計されており、通院・入院・手術・死亡補償・賠償責任など充実の内容
- オプション:盗難補償や熱中症特約など、海特化型のリスク対策にも対応
「サーフィンのための保険がほしい」というニーズにピッタリです。
※波情報サイト「波伝説」と連携しており、サーファーの間でも認知度が高いのも安心感。
海外サーフィン派向け(AIG・t@biho・クレカ付帯など)
バリ、ハワイ、オーストラリア…海外サーフトリップがメインの人には、
海外旅行保険がマッチします。
- AIG損保:カスタムプランでサーフィン特約を追加可能
- t@biho(ジェイアイ傷害火災):自由設計が魅力。サーフィンも補償対象。
- クレジットカード付帯:楽天・エポスなど。ただし補償範囲と金額に注意
渡航先でのケガやトラブルにも対応できるよう、海外での事故例を想定した補償選びが重要です。
主要保険の比較一覧(補償内容・保険料・カバー範囲)
保険名 | タイプ | 日額 or 年額 | 主な補償内容 | 備考 |
---|---|---|---|---|
ちょいのり保険 | 1日レジャー型 | 約400円/日 | ケガ、賠償責任 | スマホで即日加入可能 |
auレジャー保険 | 1日レジャー型 | 約500円/日 | ケガ、第三者への賠償 | 簡単なネット申込 |
波伝説保険 | サーフィン専用型 | 年額6,000円〜 | 通院、入院、手術、死亡、賠償 | 上級者・大会参加者向き |
AIG海外旅行保険 | 海外用カスタム | 渡航期間・補償額により変動 | ケガ、病気、スポーツ事故 | サーフィン補償は要特約 |
t@biho | 海外旅行保険 | オーダーメイド設計 | スポーツ含むケガ・賠償 | 柔軟性あり、サーフィン対応 |
クレカ付帯保険 | 補助的 | 年会費に含まれる | 内容はカード会社による | 補償額が少ないことも多い |
保険だけでは足りない!発見を早める「もう1つの備え」

救助は“早さ”が命|発見までの時間と生存率
サーフィン中の事故で最も恐ろしいのは、「発見の遅れ」です。
意識を失ったり、ボードと離れて漂流してしまった場合、周囲に気づいてもらえなければ救助が大幅に遅れてしまいます。
実際、海難事故の中には「早ければ助かった」とされるケースも多く、
発見までの10分・30分・1時間の差が、生死を分ける境界線になることもあります。
今、事故にあった瞬間をなるべく早く知らせることが重要です!
どんなに手厚い保険に入っていても、「その場で見つけてもらえなければ、補償以前の問題」になる。
この事実を、あらためて認識する必要があります。
リアルタイム位置共有アプリ「かけつけSOS」とは?

そんな“発見の壁”を突破するのが、リアルタイム位置共有アプリ「かけつけSOS」です。
現在はアプリのみですが、完全防水の小型SOSデバイスも開発中です。
- サーフィン中にボタンを押すだけで、現在地をグループを組んでいる家族や仲間に即通知
- SOS時のみ発信されるので、バッテリー消費やプライバシーにも配慮
- アプリは無料で使用可能、スマホひとつで命を守る備えができる
万が一、沖で動けなくなったり、意識を失う前に「おかしいな」と感じたら、即座にSOSを発信することができます。
日常でも使えるチェックイン機能の便利さ
さらに「かけつけ」には、日常的な“チェックイン”機能も搭載。
- サーフィンに行く前にチェックイン → 帰宅後にチェックアウト
これにより、家族やパートナーに「今日は〇時まで海にいるよ」という安心感を届けることも可能です。
しかも、チェックインはワンタップで簡単登録。
日々のルーティンに取り入れやすく、「もしも」のための習慣化された安全対策になります。
まとめ|サーフィンのリスクに備える2つの柱
サーフィンは最高に自由で魅力的なスポーツですが、
その自由の裏には、骨折・頭部外傷・溺水など、命に関わるリスクが潜んでいます。
こうしたリスクに備えるには、金銭的な補償=保険だけでなく、
発見の早さ=リアルタイムの対策が欠かせません。
【表】保険とリアルタイム対策の役割比較
対策手段 | カバー範囲 | メリット | 限界 |
---|---|---|---|
サーフィン保険 | ケガ、賠償、入院費など | 金銭的な損失を補填できる | 発見が遅れると補償も意味をなさない場合がある |
かけつけ | 現在地共有、SOS通知(SOS時リアルタイムでいばしょを共有) | 発見スピードUP、命を守る時間を稼げる | ケガで発信できないと使えない場合もある |
【箇条書き】今すぐできる3つの備え
- 自分のサーフィンスタイルに合った保険に加入する(1日型 or 本格型)
- SOS時のみリアルタイム位置共有アプリ「かけつけ」を導入して緊急時の備えをつくる
- デバイスは現在開発中
- 単独行動を避け、誰かに予定を伝えてから海に入るなど日常の工夫を忘れずに
保険とアプリ、どちらか一方ではなく、
2つを組み合わせてこそ “本当の備え”になります。
楽しいサーフィンを、もっと安全に──
あなた自身と、あなたを待っている人たちのために。
今日から「備え」を始めてみませんか?