船やボートを安全に固定する「係留ロープ」は、風や波の影響を受ける海上で欠かせないアイテムです。
適切な素材・太さ・長さを選ばないと、船体が岸壁にぶつかるなどのトラブルにつながることも。
この記事では、係船ロープの選び方・おすすめ商品・結び方(クリートヒッチなど)を図解つきで解説します。
初心者の方でも安心して選べるよう、基本から実践まで丁寧にまとめました。
係留ロープとは?必要性と用途

係留ロープとは、船やボートを岸壁や浮き桟橋に固定するために使う専用のロープです。
海上や河川では風や潮の流れ、波の影響を受けやすく、適切な係留を行わないと船体が流されたり、他の船や構造物に衝突する恐れがあります。
また、使用するロープの素材や長さ、太さによっても安全性は大きく変わるため、船の大きさや用途に応じた選択が重要です。
係留ロープの種類と特徴

係留ロープは、使用される素材によって耐久性・伸縮性・価格・使い勝手が大きく異なります。
代表的な素材には、ナイロン・ポリエステル・ビニロンの3種類があり、それぞれに長所と短所があります。
船のサイズや使用環境(波の大きさ、擦れの多さ、天候変化など)に応じて、最適なロープを選ぶことが大切です。
主な係留ロープ素材の比較表
素材 | 特徴 | 耐摩耗性 | 耐候性 | 伸縮性 | 価格帯 |
---|---|---|---|---|---|
ナイロン | 衝撃吸収に強く、伸縮性が高い | ◯ | ◯ | ◎ | やや高め |
ポリエステル | 摩擦に強く、耐候性が高い。伸びにくく扱いやすい | ◎ | ◎ | △ | 標準的 |
ビニロン | 水に強く、軽量で扱いやすい。コスト重視向け | △ | △ | ◯ | 安価で入手可 |
船のサイズ別・用途別おすすめロープ早見表

係留ロープを選ぶときは、船のサイズと使用目的に合わせた長さ・太さを選ぶことが重要です。
小型ボートから中型クルーザー、非常用の災害備蓄まで、適したロープのスペックは異なります。
下の表では、用途ごとに推奨されるロープの目安をまとめました。
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船のサイズ・用途別ロープ選定表
用途/サイズ | 船体の目安 | 推奨ロープ長さ | 推奨太さ(直径) | 素材例(推奨) |
---|---|---|---|---|
小型ボート(ゴムボートなど) | 〜4m | 約6〜8m | 約8〜10mm | ポリエステル・ビニロン |
中型船(5〜8m) | 5〜8m | 約10〜15m | 約10〜12mm | ナイロン・ポリエステル |
大型船(10m以上) | 10m以上 | 15m以上 | 14mm以上 | ナイロン(高耐久) |
浮き桟橋・マリーナ係留 | 固定位置あり | 船体の2倍程度 | 船体に応じて | ポリエステル |
災害・非常用ロープ | 家庭備蓄/防災 | 5〜10m | 約8mm | ビニロン・混紡 |
船のサイズ・用途・太さ別おすすめ船舶係留ロープ
小型ボート(〜4m)向け係留ロープ3選
1. 【ボート ロープ 船 用 係留ロープ 直径10mm】

2. 【アンカーロープ 太さ12mm 100m】

3. 【スパンエステル アンカーロープ 6mm x 50m】

中型船(5〜8m)向け係留ロープ3選
1. 【ボート ロープ 船 用 係留ロープ 直径12mm】

2. 【ボート ロープ 船 用 係留ロープ 直径14mm】

3. 【ボート ロープ 船 用 係留ロープ 直径16mm】

大型船(10m以上)向け係留ロープ3選
1. 係留ロープ 16mm 100m巻き

2. ボート ロープ 船 用 係留ロープ 直径18mm

3. 【ボート ロープ 船 用 係留ロープ 直径20mm】

災害・非常用備蓄ロープ3選
1. 救命ロープ 水に浮く 反射仕様 スローバッグ付き

2. 救命ロープ 水に浮く 反射仕様 スローバッグ付き

3. 救命ロープ 水に浮く 反射仕様 スローバッグ付き

係留ロープの結び方と関連パーツ【図解あり】
係留ロープの性能は、素材や長さだけでなく「結び方」次第で安全性や強度が大きく変わります。
状況に合った適切な編み方・方法を身につけることは、安全なマリンライフに欠かせません。
特に波や風のショックを吸収するための結び方は、実践での活用価値が高いです。
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クリートヒッチ|係留の基本ノット
船を係留する際、最も一般的に使われるのがクリートヒッチです。
クリートと呼ばれる金属製の固定具にロープをかける方法で、強度が高く、簡単に結べるのが特徴です。
「8の字に巻いて、最後に固定ひねり」で完了するので、初心者でもすぐに覚えられます。
下記図を参考に、実際の船で試してみてください。

ボウラインノット(もやい結び)|信頼性抜群の固定ループ

ボウラインノットは、先端に固定ループを作るときに使われます。
「うさぎが木の周りを回って穴に戻る」という覚え方で、誰でも簡単に覚えられる編み方です。
緩みにくく、多くの場面で使える万能ノットであり、結んだ場所でも強度をしっかり維持できます。
緊急時や係留時にも活躍する、必須スキルです。
巻き結び(ツーハーフヒッチ)|柱やビットに最適

巻き結びは、ポールやビットなどにロープを固定する際によく使われます。
短時間で確実に固定できる方法として、釣り船や作業艇などにも多用されます。
強く引っ張られても解けにくく、繊維ロープでもしっかりと結べるのが魅力です。
ショックに強く、擦れにも比較的強いため、係留ポイントが限られた場合にも有効です。
関連パーツ|係留で使われるその他の装備
係留にはロープ以外にも、以下のようなパーツや別種のロープが使われます:
- ホーサー:港などで使われる太く長い係船ロープ。
- クロスロープ:船を斜め方向に張り、横揺れを防止する補助ロープ。
- フェンダー:船体と岸壁の擦れを防ぐクッション材。係留時は必須。
- ビット:ロープを船体に固定するための金具(固定ポイント)。
これらの材料や構造(繊維ロープ・ポリエステル・ナイロン)も考慮し、用途に応じた最適な選択が求められます。
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Q1. 「行ってこい係留」って何ですか?どんな場面で使うの?

A. 「行ってこい係留」とは、ロープの両端を岸に結び、船を固定する方法です。
係留ロープが船を通って戻る(行ってこい)構造になるため、船に乗らずに岸からロープを操作できるのが特徴です。
桟橋がない場所や、船への乗り降りが難しい場面で便利です。
Q2. ロープの太さはどうやって選べばいいですか?
A. ロープの太さは、船のサイズと用途によって選びます。
例えば小型船なら8〜10mm、中型船なら10〜12mmが目安です。
太さが足りないと摩耗や切断のリスクが高まるため、余裕を持ったサイズを選びましょう。
Q3. アンカーロープや係船ロープとの違いは?
A. アンカーロープは錨を海底に固定するためのロープで、引っ張り強度が重視されます。
一方、係船ロープ(ホーサーなど)やクロスロープは、船を岸や浮き桟橋に固定するために使われます。
目的によって素材・長さ・太さが異なるので、混同しないよう注意しましょう。
まとめ|状況に応じた判断が安全を守る

- 係留する場所(浮き桟橋/岸壁/川など)によって、ロープの長さや素材は異なります。
- 場合によっては予備ロープやパーツの準備が必要です。
- 現場の写真や販売ページを見ながら、素材・耐候性・価格などを確認しましょう。
- 多くの事故は「結び方の知識不足」や「材料の選定ミス」によって発生しています。