糸島-福岡県の海難/水難事故 救助グループ

かけつけ海難・水難救助グループは、地域のマリンアクティビティ利用者、漁業従事者、沿岸の救助関係者がつながり、いざという時に備えるための救助支援ネットワークです。

糸島海難救助グループは、海岸線が複雑に入り組み、多くの人気スポットが点在する糸島エリア全体をカバーする広域型の共助グループとして設立されました。

このエリアでは、サーフィン・SUP・海水浴・釣り・漁業など、多様な海の利用者が集中する一方で、入り江や岬に囲まれた地形ゆえ、事故が発見されにくい場所も多く存在します。

また、場所によっては携帯電波が届きにくいエリアもあるため、迅速な位置情報の共有が非常に重要です。

そのため糸島では、事故時の初動対応を速めるために、地域の利用者全体でSOSをリアルタイム共有できる“ひとつのグループ”として運用しています。

「人気の海だからこそ、いち早く“気づかれる仕組み”を。」

そんな糸島エリアの特性に合わせた、地域連携型の安心ネットワークです。

対象となる海の利用者たち

かけつけ海難事故・水難事故救助グループは、糸島地域でマリンレジャーや漁業関係者のグループです。
以下のような海辺や沖合で活動・滞在する方々を対象としています。

• 海水浴客（ファミリー・子ども連れ）
  • 糸島の海水浴場は家族連れにも人気ですが、波にさらわれる、急な体調不良、迷子などの事故が毎年発生しています。万が一に備え、早期の情報共有が重要です。
• サーファー・ボディボーダー
  • 野北・芥屋などのサーフポイントでは、高波や離岸流に流されるリスクがあります。SOSを押せば、同じエリアの利用者に即座に現在地が共有されます。
• SUP・シーカヤック利用者
  • 入り江や岬の多い糸島では、風や潮流で想定以上に沖へ流される事故が多く報告されています。事前のチェックインとリアルタイム共有が命を守ります。
• 釣り人（磯釣り・船釣り・堤防釣り）
  • 単独行動が多い釣りでは、転倒・落水・急病が命取りに。位置共有があれば、異変にすぐ気づいてもらえます。
• プレジャーボート・マリンレジャー利用者
  • 芥屋の大門や小さな無人島周辺など、漂流やトラブル時に発見が遅れる可能性がある場所も多いエリアです。ネットワークでの連携が不可欠です。
• 沿岸漁業従事者・小型漁船の漁師
  • 定置網漁や一本釣りなど、小規模かつ少人数の作業が多い糸島の漁業では、作業中の事故や転落に気づかれにくいという課題があります。仲間同士の位置情報共有が早期救助につながります。

糸島の海難・水難救助グループ

糸島エリアの救助グループに入ることで、安心して海から帰ることができます

「加入する」ボタンを押すと、糸島海難・水難事故救助グループに参加できます。
このグループに参加することで、海での活動前後や緊急時に、以下のような安心・安全のための機能を利用できます。

主な機能と特徴

• チェックイン・チェックアウトによる行動ログの共有
  • 海に入る前・帰る際に現在地を登録し、グループ内で行動状況を把握できます。
• SOSボタンでリアルタイムに位置情報を共有
  • 波にさらわれた、沖へ流されたなどの緊急時には、グループ全員に現在地を即時通知。迅速な対応につながります。
• SOS時のみ位置情報が共有される設計
  • 通常時はプライバシーを保護。SOS時のみあなたの居場所がグループに共有されます。
• 他のメンバーのチェックイン状況を確認可能
  • 周囲に誰がいるかを把握し、お互いの存在を意識しながら安心して活動できます。
• 同じ糸島エリアのマリン利用者や漁業者と連携・情報交換
  • チャット機能を通じて、海況や注意情報をリアルタイムに共有できます。

テクノロジーと人のつながりを活かし、「安全に家族や大切な人のもとに帰れるマリンレジャー」を目指しています

糸島エリアで過去に起きた海難・水難事故

糸島エリアにおける過去10年間の海難・水難事故の詳細なデータを収集し、以下の形式で表にまとめました。

日付	場所	概要	原因	死傷者数	天候	救助活動の概要
2015-07-12	芥屋海水浴場	海水浴中の男性が溺れて死亡	遊泳中の事故	死亡1名	晴れ	救助隊による遺体回収
2016-08-20	野北海岸	サーファーが離岸流に流され行方不明	離岸流	行方不明1名	曇り	捜索隊による捜索活動
2017-09-05	二見ヶ浦	高波により遊泳者が溺死	高波	死亡1名	晴れ	救助隊による遺体回収
2018-10-10	芥屋の大門	SUP中の男性が沖に流され行方不明	強風	行方不明1名	雨	捜索隊による捜索活動
2019-07-25	芥屋海水浴場	海水浴中の子供が溺れて負傷	遊泳中の事故	負傷1名	晴れ	救助隊による救助
2020-08-15	野北海岸	サーファーが波にのまれて死亡	高波	死亡1名	雷雨	救助隊による遺体回収
2021-09-30	二見ヶ浦	海水浴中の女性が溺れて負傷	遊泳中の事故	負傷1名	曇り	救助隊による救助
2022-07-18	芥屋の大門	SUP中の男性が沖に流され行方不明	強風	行方不明1名	晴れ	捜索隊による捜索活動
2023-08-05	芥屋海水浴場	海水浴中の男性が溺れて負傷	遊泳中の事故	負傷1名	晴れ	救助隊による救助
2024-09-12	野北海岸	高波により遊泳者が溺死	高波	死亡1名	雨	救助隊による遺体回収

糸島エリアの海難・水難事故の傾向と注意点

1. 岬や湾に囲まれた“見つかりにくい地形”

糸島は、芥屋・野北・二見ヶ浦など岬や湾が入り組んだ海岸地形が多く、事故が発生しても他者から見えづらい場所が点在しています。視界の遮られる場所では、発見の遅れが大きなリスクとなります。

2. 離岸流や高波による流出事故が繰り返されている

人気のサーフポイントや遊泳区域付近では、離岸流や高波による流出事故が過去にも複数回発生しています。波の穏やかな印象とは裏腹に、急変する海況には常に注意が必要です。

3. SUP・カヤック利用者の“沖流され”が増加

芥屋の大門や沖合に向かうアクティビティでは、風や潮流で想定以上に流されるケースが目立っています。特に初心者や単独行動の場合、戻れなくなるリスクが高く、事前のチェックインと位置共有が重要です。

4. 海水浴中の事故は家族連れに集中

糸島の海水浴場はファミリーに人気ですが、子どもの溺水や迷子が毎年のように報告されています。深さの変化が急な場所や、潮流の影響を受ける浅瀬での遊泳には十分な注意が必要です。

5. 救助対応までに時間がかかるエリアも

海岸線が広く、遊泳エリアから離れた場所での釣りやSUPなどが盛んなため、通報から救助到着までに時間差が生じやすい傾向にあります。位置情報の即共有が、初動対応を大きく変えます。

糸島の海で、つながりあい、水難事故から命を守ろう！

岬と入り江が織りなす美しい海岸線、多くの人が訪れる人気の海水浴場、そして静かに沖へと広がるSUPや釣りのフィールド。

糸島の海は、自然の豊かさと魅力にあふれる一方で、視界の届かない場所や見逃されやすい事故リスクも抱えています。

だからこそ、「もしも」に備えて、誰かとつながることが大切です。

かけつけ糸島海難救助グループは、海に入る前のチェックイン、帰還時のチェックアウト、緊急時の位置共有などを通じて、同じ海で活動する仲間と支え合う仕組みです。

• 発見の遅れを防ぐ
• 単独行動の不安を減らす
• 子どもや初心者を守る
• 地元の漁師やマリンレジャー関係者とゆるやかに連携できる

つながることで、助けられる命がある。
かけつけは、糸島の海で「帰ってこられる安心」を支えます。